レントゲン(X線)検査って何?
最も一般的に知られているX線撮影では、X線照射装置とフィルムの間に体を置き、焼き付けて画像化する。X線は感光板を黒く変色させるため、体がX線を通過させた部分では黒く写り、体がX線を阻止した場合には、その部分が白く写る。(ウィキペディア参照)
つまり、骨などのX線の透過性が低いものは白く写真に写るというものです。
むちうちの場合は有効?
交通事故によって体を痛めた場合、そのほとんどが骨ではなく、軟部組織(靭帯、筋肉、関節構造体など)の損傷です。
大きな事故で、骨が折れてしまったり、ヒビが入ってしまった場合は別ですが、このような軟部組織の損傷はレントゲン検査では異常はありません。
レントゲン検査で異常がなかった場合は、骨には異常がなかっただけです。
骨に異常がない=体に異常がない ではありません。
つまり交通事故での損傷の大部分を占めるむちうちではレントゲン検査は異常は見つからないのです。
どうして、レントゲン検査をするの?
このように大部分の交通事故での損傷で異常が見つからないにもかかわらずどうしてレントゲン検査をするのでしょう。
【診断としての役割】
大部分の損傷では異常がないだけであって、一部の損傷には骨折などがある場合もあります。
可能性が少しでもある場合は、念のため検査をすることもあります。
【医療点数としての検査】
整形外科などで検査をする場合、固定したら○点、検査をしたら○点と点数が決まっており、医療サービスをすればするほど病院は儲かります。
交通事故の場合(自賠責保険適応)は医療費負担はありませんから、あまり必要性のない部位でも撮っておこうとなるわけです。
【むちうちの客観性としての役割】
むちうちの場合は、検査には異常がないのが特徴です。そのため、ほかの人から見たら、どれくらい痛いのか、どこが痛いのか、どのように痛いのか分かりません。
この症状を、何とか客観的に評価する人がいます。それは、相手側の保険会社さんです。
異常がなかった検査でも、レントゲン検査は大きな客観的な証拠です。
交通事故に合ったときに、レントゲンでは異常がなかった場合はこのくらいの補償期間とある程度の目安があります。この目安としてレントゲン検査が必要なのです。
MRIの検査では?
MRIは骨だけでなく、周囲の軟部組織も映し出すことが出来ます。
しかし、むちうちのような微小な損傷やめまいや頭痛などの随伴症状を引き起こす神経への刺激を発見することは難しいでしょう。
じゃあレントゲン検査は受けなくていいの?
いいえ、そうではありません。
上記の理由から受ける必要もあります。特にむちうちの客観性の面から重要になってきます。
ただ、通常の整形外科などでは、検査で異常がなかった場合は、シップと電気、牽引などむちうち患者様はすべて同じ治療を選択する場合があります。
検査で異常がない ⇒ シップや電気など ⇒ よくならない ⇒ 補償期間が終わる
にならないように、検査で異常がなかった場合は、むちうちでの治療方法や通院方法を考える必要があります。